ICCプロファイルインスペクター
.icc/.icmファイルをページ内にドラッグ&ドロップするだけで、説明、デバイスクラス、色空間、PCS、バージョン、作成日時、デフォルトのレンダリングインテント、白色点、著作権情報を直接読み取ることができます。解析処理はすべてブラウザ内で完結し、ファイルがアップロードされることはありません。
更新日 2026-08-12 · 方法のバージョン v1.0.0
How to Use
- 「ICCプロファイルを選択(.icc/.icm)」をクリックして検証したいプロファイルを読み込み
- ファイルはブラウザ内でのみ解析され外部へアップロードされないため、機密カラーデータでも安心
- 解析完了後、上から順に「説明」「デバイスクラス」「カラースペース」などの項目を確認してプロファイルを特定
- 「白色点(XYZ)」と「デフォルトのレンダリングインテント」が印刷会社の指定仕様に合致しているか確認
計算方法と前提条件
印刷会社から届いたICCプロファイルのファイル名に「coated」とあっても、実際に出力(Output)クラスなのかディスプレイクラスなのか、v2なのかv4なのか、協力工場へ共有してよいものなのか。その答えはすべてファイル内に記録されていますが、日常業務で手軽に読み取るツールは多くありません。
本インスペクターはICC.1規格に基づき128-byteのヘッダーとタグテーブルを解析し、デバイスクラス(ディスプレイ/出力/入力/DeviceLink)、データ色空間とPCS、仕様バージョン、作成日時、デフォルトのレンダリングインテント、そしてメディア白色点(wtptタグ)を読み取ります。
説明(desc)タグと著作権(cprt)タグは、従来のtext形式と最新のmluc(多言語)形式の両方のエンコーディングに対応しています。実務上「壊れているように見える」プロファイルの多くは文字コードの世代が異なるだけであり、適切なパーサーで処理すれば正常に内容を読み取ることができます。
解析は完全にブラウザ内で行われ、ファイルがアップロードされたり外部サーバーを経由したりすることはありません。これはプライバシー保護の観点だけでなく、標準印刷条件プロファイルの多くがライセンスで再配布を制限しているためでもあります。ローカル処理により、確認作業に伴ってファイルがお手元のPC外へ送信されるのを防ぎます。
プリプレスにおける主な用途は3つあります。印刷会社から提供されたものがディスプレイプロファイルではなくCMYK出力クラスであるかの確認、外部共有前のcprtライセンス条項の確認、そして同名プロファイルの作成日時を比較した世代差の特定です。「同名でも世代が異なる」リスクは実際に存在します。例えばコート紙向けで一般的なFOGRA39系とFOGRA51系のプロファイルは、対応する用紙や測定条件が異なるため、同一のものとして扱うことはできません。
当インスペクターが解析するのはメタデータであり、色域の計算は行いません。色域の差異やソフトプルーフを確認したい場合は、当サイトの「RGB↔CMYK変換ツール」のICCモードに対象プロファイルを読み込んでください。なお、プロファイルが現在の印刷機の状態に合致しているかどうかは現場での再測定でしか確認できず、これはメタデータ検証ツールの範疇を超えるものです。
利用シーン
- 入稿データの検証:クライアントデータに埋め込まれたプロファイルと社内標準のプロファイルが同名別日付の場合、双方を読み込んで作成日時とバージョン項目から差異を特定
- ライセンス確認:協力工場にプロファイルを共有する前に、cprt条項を確認して再配布が許可されているかをチェック
- プロファイル検証:Webからダウンロードした「印刷用」プロファイルを解析した結果、デバイスクラスがDisplay(モニター特性ファイル)だと判明し不採用と判断
- 入稿前チェック:PDFに埋め込むプロファイルが誤って選択されたsRGB等のディスプレイプロファイルではなく、正しくCMYK出力クラスであることを確認
- エンコーディング検証:古いプロファイルの説明文が最新ソフトで表示されない際、descタグが旧来のtext形式であることを確認し、ファイル破損ではないことを証明
- 業務引き継ぎ時の整理:プリプレス担当者が過去の案件で使用した全プロファイルを解析し、バージョンと作成日時をSOPに記録して後任者の確認資料として整理
よくある質問
- ファイルはサーバーにアップロードされますか?
- アップロードされません。解析はブラウザ内のプログラムで実行されるため、ファイルがお使いのパソコンから外部へ送信されたり、サーバーを経由したりすることはありません。これはライセンス制限のある印刷条件プロファイルにとって特に重要であり、ここでの検査操作自体が再配布に該当することはありません。
- デバイスクラス(device class)は何を表していますか?
- Output(printer/press)は印刷出力条件、Displayはモニター、Inputはスキャナーやカメラ、DeviceLinkは特定2デバイス間の直接色変換を表します。印刷シミュレーションやカラー変換を行うには、Outputクラスのプロファイルが必要です。
- 白点はなぜ 1.0 ではないのですか?
- 出力プロファイルの wtpt タグには通常「メディア白色点」(すなわち紙白)が記録されており、Y 値は 0.8–0.95 が一般的です。これは特性でありエラーではありません。用紙自体が完全な白ではないため、測定された白点は必然的に 1.0 未満になります。D65 標準白に近い値を持つのはディスプレイ用プロファイルです。
- v2 と v4 のプロファイルの違いは何ですか?
- v4 規格は知覚的インテントや補間精度がより厳密に定義されていますが、印刷業界では現在も v2 が主流であり、最も高い互換性を持ちます。多くのワークフローで両者の混用が可能ですが、重要なのはデザイン、プリプレスから印刷現場まで同一プロファイルの使用を合意することであり、新しいバージョンを追うことよりも整合性が大切です。
- FOGRA39 と FOGRA51 の違いは何ですか?
- 両者は世代の異なるコート紙向けキャラクタライゼーションデータです。FOGRA39 は長年の実績があり、旧世代の用紙および測定条件に対応しています。FOGRA51 は蛍光増白剤を含む現代の用紙と M1 測定モードを反映しています。同一案件の工程間で混用すると系統的な色カブリが生じるため、工程全体で印刷会社が指定するプロファイルに統一する必要があります。
- 色域(ガマット)を確認することはできますか?
- 本インスペクターはメタデータの読み取り専用であり、色域の計算は行いません。色域の差異を確認したい場合は、本サイトの RGB↔CMYK 変換ツールの ICC モードにプロファイルを読み込んでソフトプルーフ(画面校正)やガマットチェックを行ってください。2つのツールを組み合わせてご活用いただけます。
- ファイルに ICC プロファイルを埋め込めば、カラーマネジメントは完了ですか?
- 完了ではありません。埋め込みはファイルのカラースペースを宣言しているに過ぎず、後工程のソフトウェアや印刷会社の RIP によっては、その宣言が適用されることもあれば、無視や上書きされることもあります。カラーマネジメントは工程全体の取り決めであるため、データ入稿前に埋め込みプロファイルの取り扱い方針を印刷会社へご確認ください。
制限事項と免責事項
- 読み取り専用のためファイルの変更は行わず、プロファイルの測定品質を検証する機能はありません
- LUTの内容および色域体積の計算は解析対象外
- 極めて古いプロファイルや非標準構造のプロファイルでは、フィールドの欠落や正常に読み込めない場合があります
- 検証結果はファイル内に記述された情報のみを反映しており、プロファイルが現在の印刷機状態と一致していることを保証するものではありません
専門家のチェックが必要
ツールで算出される値はあくまでデジタル上の参考値です。量産に入る前の校正手配、仕様の確定、データに潜むリスクの確認など、印刷コンサルタントに事前に相談するほうが、印刷事故による刷り直しのコストを大幅に抑えられます
関連記事

モニターの色がいつも印刷でズレる?ベテランコンサルタントによる ICC カラーマネジメント実践ガイド
モニター上で完璧に見えたデザインが、印刷してみるとくすんで濁ってしまう。これは現場で最もよく耳にする悩みだ。 色域の違いと ICC 設定さえ理解すれば、入稿前に刷り直しの惨事を9割防げる。 本ガイドでは色彩の原理からモニタープルーフまで、正確な色合わせの基準構築を徹底解説する

AIによるモニターカラー補正はソフトプルーフの代わりになるのか?デザイナーのリモート入稿におけるカラーマネジメント実測
Photoshopのニューラルフィルターやブラウザのカラーマネジメントを使えば、画面上で正しく見えているのでそのまま入稿できる。そう考えているデザイナーは少なくありません。この誤解が毎年、大量の刷り直しを生んでいます。本稿では、私が支援してきたリモートワークフローをもとに、AIカラー補正でできること、できないこと、そして本当に信頼できるソフトプルーフの手順を整理します

画面上の鮮やかな緑はなぜ印刷するとくすむのか?CMYK と RGB の違いを徹底解説
同じ画像なのに、画面では鮮やかで綺麗だったのに印刷すると全体が暗くなり、緑は濁り、マゼンタはくすんで死んでしまう……。これはデザイン初心者なら誰もが一度はハマる落とし穴です。 この記事では、現場やクライアントとのやり取りで培った実務經驗をもとに、発色原理から入稿設定、ソフトプルーフ(モニター校正)のコツまで徹底解説。読めば失敗を確実に回避できるようになります