なぜ顧客はEcoVadisスコアを要求し始めたのか?
最近、クライアントとの商談でグローバルブランドが包装資材サプライヤーに求める基準の変化を肌で感じている。以前はFSC認証やカーボンラベルがあれば十分だったが、今や欧米の大手企業は購買要件にEcoVadisの評価を必須項目として指定するケースが増えている。一部の顧客は、Silver(銀賞)以上の獲得を入札の必須条件に設定しているほどだ
MarsやMondelēzのようなグローバルブランドのサステナビリティ報告書は市場から厳しいチェックを受けており、サプライチェーン全体のコンプライアンス遵守が不可欠となっている。EcoVadisは現在、世界で最も広範をカバーする企業サステナビリティ評価プラットフォームだ。製版会社や設備メーカーまでもが積極的に銀賞獲得に動く中、印刷会社だけが静観しているわけにはいかない。海外からの受注を維持・拡大したいなら、この評価への対応はいずれ避けて通れない課題だ

EcoVadis Silverで評価される項目とは?
EcoVadisは企業を「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な調達」の4つの側面から審査する
ドイツの産業設備メーカーErhardt+Leimerが今回獲得した銀賞は、評価対象企業の上位15%(パーセンタイルで約75位以上)に相当する。このレベルに到達するためには、具体的な管理制度とそれを裏付ける実行プロセス(エビデンス)の提示が求められる
実務上、ハードルとなりやすい4つの重要指標:
・廢棄物管理數據:単にリサイクルを行っているだけでは不十分で、長期的トラッキング記録と削減目標の提示が必要
・能源使用揭露:工場内の電力使用量およびCO2排出量に関する具体的な排出量算定(インベントリ)報告書の提出が必須
・員工健康安全制度:労働災害の記録と安全衛生教育・訓練の実施実績が評価を左右する
・供應商行為準則:上流のインキメーカーや製紙会社に対しても倫理・環境基準の遵守を求める必要がある
認証準備にはどれくらいの期間が必要か?立ちはだかる障壁とは?
申請書類の提出から最終的な評価獲得まで、平均で6〜9ヶ月の審査期間がかかる。根気のいるプロセスだが、社内プロセスを再構築する絶好の機会でもある
最初のステップは現状の棚卸しだ。工場内の光熱費請求書、廃棄物処理マニフェスト、労働基準監督の点検記録などを収集する。データが不足している分野は、直ちに記録作成に着手する必要がある。次に制度の整備だ。現場の管理体制が整っていても、書類としての記録が残っていない中小企業は少なくない。日常業務を書面化し、体系的な管理手順へと昇華させることが高スコア獲得の鍵となる
設備や生産プロセスの見直しも忘れてはならない。近年のパッケージ向けフレキソ印刷を例にとると、競争の軸はプロセスの安定性へと移行している。安定した生産プロセスは損紙の削減や再印刷リスクの低下につながり、これらのデータは「環境」分野のスコアを直接引き上げる要因となる
中小印刷会社はどのように対応すべきか?
予算が限られる中小企業は、まず基盤となるデータの蓄積から着手し、徐々に質を高めていくのが現実的だ。これは価格競争から抜け出すためのハードルでもある
まずはデジタルシステムを導入し、受注・資材調達・生産・出荷のデータを一元化することをお勧めする。これこそが、MINDSのワンストップ統合サービスが解決する顧客のコア課題だ。生産データが透明化され、いつでも参照できる状態になれば、EcoVadisの膨大なドキュメント要求にも慌てることなく対応できる。認証取得を企業の体質改善の契機と捉え、高付加価値な海外案件を受注できる体制を証明しよう

ポイントまとめ
・欧米の大手企業はEcoVadis Silver(銀賞)をサプライチェーン調達の必須要件に設定している
・評価軸は環境・労働・倫理・調達の4分野で、上位15%以内の企業のみが銀賞を獲得できる
・申請プロセスには6〜9ヶ月を要し、現場管理のデータを可視化しドキュメント化することがポイントである
・安定した印刷プロセスは損紙を削減し、「環境」分野の評価向上に直接貢献する
今後の展望と考察
EcoVadisの厳しい審査に直面した際、コンサルタントに頼って見栄えの良いレポートを作ることに焦るのではなく、まずは自社工場の情報フローを見直すことが重要だ。SaaSツールやAI支援システムを導入し、日報や現場職人の頭の中に散在していたデータをデジタル化することこそが持続可能な解決策となる。エネルギー消費や廃棄物のデータをいつでも抽出・分析できる体制が整えば、認証取得は自然とついてくる結果に過ぎない
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FAQ / よくある質問
- EcoVadis認証はFSC認証やカーボンラベルとどう違うのか?
- FSC認証が用紙の原材料(森林資源)の調達元を対象とし、カーボンラベルが単一製品のカーボンフットプリントに焦点を当てるのに対し、EcoVadisは企業全体の経営体質を評価する。環境、労働者の人権、商業倫理、持続可能な調達といった4つの広範な領域を網羅している点が異なる
- 自社工場は小規模だが、EcoVadis申請に適しているか?
- 適している。海外の取引先が重視するのは管理メカニズムの透明性と改善へのコミットメントであり、企業規模だけが判断基準ではない。まずは基礎的なエネルギー消費データや従業員の安全衛生記録を蓄積することから始めればよい
- EcoVadis認証準備で最も多い失敗要因は何か?
- 具体的なデータや書面による証拠を提示できないことだ。多くの工場でリサイクルや省エネの取り組みが実際に行われているものの、記録に残されていないケースが多い。審査員は書類と客観的データのみに基づいて評価するため、口頭の説明だけでは点数に結びつかない
出典
- Erhardt+Leimer achieve EcoVadis Silver rating · thepackagingportal.com
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