印刷物のカーボンフットプリント에는どんなスコープが含まれる?
ここ最近、いくつかの協力工場や印刷会社を回っていますが、クライアントから求められるCO2排出量データへの対応にどこも頭を悩ませています
ブランド側が厳格なESG報告書での情報開示を迫られているため、そのプレッシャーが自ずとサプライチェーン全体へと波及しているのです
ですが、印刷物のカーボンフットプリント算定は決して難解なロケットサイエンスではありません。「材料・加工・物流」という3つの核さえ押さえれば、購買担当者に信頼されるデータを導き出せます
実務においては、ISO 14067の製品カーボンフットプリント(CFP)フレームワークに準拠し、印刷物のライフサイクルを主に5つの領域に分解して計算します
・原紙:パルプ製造から印刷工場への納入までに発生する排出量。通常、案件全体の中で最もCO2排出量が大きいプロセスです
・インキおよび副資材:大豆油インキ、水性バインダー、一般的なUVインキなどの製造・消費量を含みます
・印刷工程のエネルギー:印刷機稼働および工場内の電力消費量。これは工場内の電力メーター配置や設備の省エネ性能に大きく依存します
・後加工工程:ニス引き・PP貼り、トムソン抜き加工、箔押しから製本に至る各後加工の設備エネルギー消費をカバーします
・物流・配送:印刷工場から顧客の指定場所までのラストワンマイル。算定時に最も見落とされがちな落とし穴 fountain でもあります

なぜ原紙のCO2排出割合は常に高いのか?
大豆油インキに変えれば大幅に減炭素化できると考えるデザイナーも多いですが、真の排出要因はやはり用紙そのものにあります
製紙工程では多量の水と熱エネルギーを消費します。さらに輸入紙を採用した場合、国際輸送(海上・航空)のCO2排出も無視できません
これまで扱ってきた一般的な商業カタログやパッケージ箱の事例を見ても、原紙由来の排出量が全体の6割、時には7割を超えることも珍しくありません
だからこそ、短期間で排出量を削減したいクライアントには、まず用紙仕様とパッケージ構造の見直しを提案しています
・FSCやPEFCなどの森林認証紙を優先的に検討し、木材原料の合法性と持続可能性を確保する
・古紙配合率の高い再生紙への切り替えを検討する。ただし再生紙特有のインキ吸収性や発色特性には注意が必要で、緻密なカラーマネジメントの現場経験が欠かせません
・パッケージの重量や用紙の坪量を見直す。例えばアートポスト350ptから300ptへ減量するだけで、排出量と調達コストの双方を大幅に削れるケースが多くあります
排出係数(カーボンファクター)データはどこで入手すべきか?
算定作業で最も難易度が高いのは計算自体ではなく、信頼性の高い根拠データをどこから手に入れるかです
自社工場の「活動データ(使用した原材料量や電力消費量)」に「排出係数(単位あたりのCO2排出量)」を掛け合わせることで、最終的な算出結果を得ます
活動データは日々の発注書や生産日報、電気代請求書から抽出できますが、排出係数には明確な根拠が求められます
・製紙メーカーやインキサプライヤーに対し、該当製品のCFP算定シートや宣言文書(EPD等)の提供を要請する。これが最も正確な一次データとなります
・サプライヤーから入手できない場合は、公的機関(環境部「製品カーボンフットプリント情報網」など)の公開データベースにある標準値(二次データ)で代替します
・電力使用量については、経済部エネルギー署が発表している最新の電力CO2排出係数(例:2023年実績値 0.495 kg-CO2e/kWh)を必ず適用します
・よくある失敗談として、異なる年度や他国の電力排出係数を混同して使用し、レポート全体の信頼性を失ってしまう事例が挙げられます
ブランド企業へ提出するデータフォーマットはどう設定すべきか?
総排出量を算出した後、最も重要になるのが顧客へ提示するフォーマットの設計です
ブランドの購買担当者が求めているのは、意味の分からない巨大な数値ではなく、自社のESG報告書(GRIスタンダード等)にそのまま転記できる具体的な指標です
そのため、算定の初期段階で「機能単位(Functional Unit)」を明確に定義しておく必要があります
・単一アイテムの大口発注であれば、通常「1,000部あたり」または「10,000部あたり」の排出量として設定します
・複雑なパッケージ箱や複数素材の混在アイテムなら、「印刷物1kgあたり」の排出量に換算して提示すると、ブランド側での一括計算がスムーズになります
・報告書にはシステム境界を明記し、ラストワンマイルの配送まで算定対象に含めることで、グリーンウォッシュを防ぎデータの完全性を担保します
・上場企業等の大口顧客に対しては、実用的な最小限(MVP)の梱包材算定フローを構築し、原票を保管したうえで、必要に応じて第三者認証機関(SGSやBSIなど)による検証に対応できるよう準備しておくことを推奨します

要點まとめ
・印刷物のカーボン算定は難しくありません。原紙・インキ・エネルギー・加工・物流の5大コアを押さえれば、ISO 14067の枠組みにスムーズに適合できます
・CO2排出の最大の要因は用紙です。坪量の削減、FSC認証紙や再生紙への変更が最も手軽で効果的な削減アプローチとなります
・計算時には最新の電力排出係数と信頼できるデータベースに統一してください。年式や国の異なるデータを混用することは代表的な誤算の原因です
・顧客へ報告する前に、機能単位が「1,000部あたり」か「kgあたり」かを確認し、購買担当者がESG報告書へストレスなく転記できるように配慮しましょう
今後の展望と考察
受託印刷やパッケージ加工メーカーにとって、CO2排出量データの提供はすでに加点要素ではなく、購買評価における必須科目となっています
顧客に催促されるたび手作業で帳票を探すのではなく、この機会に工場内のデジタル化を検証してみてはいかがでしょうか。MINDSの一元化インテグレーションサービスなら、初期設計や資材選定の段階から評価・参画が可能です
用紙のカーボン排出、認証履歴、生産データを標準化し、ESG要件を満たす高精度なレポートを主体的に提出できれば、ブランド側の最大の課題を解決できます。それこそが現代の印刷サービスが提供すべき真の価値なのです
FAQ / よくある質問
- 小規模な印刷会社ですが、有料で第三者機関によるカーボンフットプリント検証を受ける必要は本当にあるでしょうか?
- クライアントの初期的な要望に対応する程度であれば、算定プロセスがISO 14067の論理に沿っており、明瞭な計算式を提示できれば十分です。ただし、取引先が厳しい基準を持つグローバルブランドや上場企業の場合は、データの公信力を確保するために第三者検証レポートを求められるのが一般的です
- 再生紙を使用すれば、本当に印刷物のカーボンフットプリントを削減できますか?
- 基本的には削減可能です。伐採やパルプ化といった高エネルギー消費プロセスをスキップできるためです。ただし、再生紙は色彩管理の難易度が高くなるため、設計の早い段階で印刷コンサルタントを交え、インキの発色や仕上がり特性を評価することをおすすめします
- 物流・配送にかかるCO2排出量は、どのように計算すればより正確になりますか?
- 配送車両の積載量、燃費性能、実際の走行距離を把握する必要があります。外部委託を行っている場合は、運送業者に各配送便の排出推計量の提出を求めるか、交通規制当局(交通部等)が公表している輸送CO2排出係数を用いて試算するのが有効です
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