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title: 高速インクジェットが小ロット市場へ普及、発注担当者が印刷会社に確認すべき5つのこと
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# 高速インクジェットが小ロット市場へ普及、発注担当者が印刷会社に確認すべき5つのこと

*印刷知識 · 6 分で読む · 2026-08-05*

> KomoriのJ-throne 29が13か月のベータテストを経て米国で商業販売を開始し、Printwareも封筒・小ロットパッケージ向け機種を同時展開。メッセージは明快です。高速インクジェットは、もはや年間数千万枚を印刷する大手だけの専売特許ではありません。発注側やデザイン側にとって必要なのは、機器のスペック評価ではなく「正しい質問」を投げかけ、短納期・多品種小ロット・バリアブル印刷の要求を具体的なサービスとして引き出すことです

**クイック回答:** 高速インクジェットは年間千万枚クラス的大手専売特許から、商業印刷や小ロット包装市場へと普及し、中小の印刷会社も恩恵を受けられるようになりました。発注側が印刷会社に真に確認すべき5つのポイントは、最短納期の具体的な日数、バリアブル印刷の発注ハードル、1枚起注時のコスト構造、カラーマネジメントの一貫性、入稿データへの適応力。スペックの議論を、具体的な「対応能力」の確認にシフトさせることが鍵です

## 高速インクジェットの小ロット市場への普及とは

Komoriと1Visionは2026年7月、13か月に及ぶJ-throne 29（LED-UV B2+枚葉インクジェット印刷機）のベータテスト完了と、米国での商業販売開始を発表しました。主要スペックは、片面毎時6,000枚、両面毎時3,000枚、用紙サイズ23×29インチ（一般的なB3より一回り大きいB2+規格）、LED-UVインキによる瞬間乾燥です

同時期にPrintwareも高速インクジェット対応の封筒・小ロットパッケージ機を発表。この2つの動きが示す事実は一つ。数億円規模の設備投資ができる年間千万枚超的大手だけがインクジェットを導入できた時代は変わりつつあります

現場やブランド発注者にとって、これは印刷会社とのやり取りで「インクジェットで対応可能か」を前提に条件を詰めていける段階に入ったことを意味します。遠い存在の高級機として避けて通る必要はもうありません

## なぜ今、この動きに着目すべきなのか

直近のクライアントやサプライヤーとの協議でも、短納期・多品種小ロット・バリアブル印刷への需要増は顕著です。オフセット印刷（ブランケットを介して紙に転写する伝統的な湿式印刷。大ロットに適する）は刷版交換や通し紙の調整に時間がかかり、500枚・3日納期といった条件には向きません。一方でデザイン・ブランド側からは「30バリエーションを各数百分」といった案件が頻繁に出され、オフセットではコストが合わず、トナー式デジタル印刷（フィルムや版を使わずデータを直接印刷する方式）では色のブレが懸念されていました

そこにフィットするのが高速インクジェットです。枚葉給紙とLED-UV（紫外線で瞬時にインキを固化させ、厚紙や特殊紙にも待ち時間なしで印刷可能）固化の組み合わせにより、コート紙・ノンコート紙を問わず両面印刷やノンストップの絵柄切り替えに対応します。1Visionが13か月のベータ期間中、商業印刷やダイレクトメール（DM。請求書や販促用チラシなど個人宛に送付する印刷物）の現場実動データを日々回していた事実は、テスト室のサンプル出力ではなく実生産ラインで鍛え抜かれた証拠です

発注側が機械の構造を細かく覚える必要はありませんが、「インクジェットで小ロットを回せる」状況はすでに現実の選択肢であると認識しておく必要があります

## 發注者が印刷会社に確認すべき5つの質問

高速インクジェットのスペックを実務上の課題に置き換え、以下の順で確認するのが確実です：

・最短納期は具体的に何日か？ 「最速」という曖昧な言葉ではなく、「A4で500枚、PDF校了済みの場合、何日で手元に届くか」を明確な数字で確認します

・バリアブル印刷の発注ロットと追加コストはいくらか？ バリアブル印刷（VDP。宛名や印字内容を1枚ごとに変える印刷手法）では基本料金や最低ロットが課題になりがちです。何枚から対応可能で、1枚あたりの加算費用がいくらかを詰めます

・色の安定性をどう管理しているか？ カラーマネジメント（モニターの色表示と印刷出力を合わせる標準化プロセス）のフローがあるか、ISO 12647（国際標準化機構が定めた印刷品質・色彩の規格）やGRACoL（北米の商業印刷で広く使われる色彩基準）などの標準規格に準拠しているかを確認します

・1枚からの小ロット時のコスト構造はどうか？ 50枚と500枚で単価がどう変わるかを聞き出し、極小ロットだからといって過度な「特注扱い」で跳ね上がらないか確かめます

・自社の入稿データにそのまま対応できるか？ PDF/X（印刷データ交換用のPDF規格。フォントやカラープロファイルが埋め込まれる）の直接処理やInDesign連携、裁ち落とし（ブリード。断裁時の白フチを防ぐため仕上がり線の外側まで絵柄を伸ばす処理）の扱い、フォーマット変換の有無など、入稿後に停滞しやすいポイントを事前に洗い出します

この5項目を確認することで、「設備はあるが運用が追いついていない業者」や「設備がないのに無理に受注する業者」をふるいにかけられます。単に「刷れる」ことと「安定して刷れる」ことは別物です

## 高速インクジェットを検討すべき具体的なケース

次の3つのケースで特に威力を発揮します：

・DMや会員向け送付物：氏名・住所・個別クーポンコードなど1枚ごとに印字が異なる場合。バリアブル印字が付加価値ではなく必須要件となるツールです

・30パターンを超える多品種販促物：地域別・顧客層別に分けたDMやリーフレットなど、絵柄の切り替えに伴う機械停止を避けたい案件に最適です

・厚紙や特殊紙を使う小ロットパッケージ：LED-UVインキは乾燥性が高く、厚紙・合成紙・各種コート紙への適応力が従来のトナー式デジタル印刷より優れています

中規模ブランドでありがちな失敗は、小ロット案件をすべて「最安値の業者を探す」アプローチで処理し、相見積もりを取った結果、3日以内の納品に対応できる業者が1社もなかったというケースです。インクジェットは単なるコスト削減ツールではなく、「他社が間に合わせられない納期を奪取する」ための武器になります

## 中小印刷会社が押さえておくべきポイント

高速インクジェットが普及しても、すべての中小印刷会社が自社導入する必要はありません（数千万円から億円単位の投資が必要です）。しかし、その特性と解決できる課題を把握していなければ、顧客に対して「オフセット、トナー式デジタル、インクジェットのどれで回すべきか」を正しく提案できません

実務上、中小印刷会社の経営者には次の2点を推奨します：

・高速インクジェット設備を持つ同業他社との協力体制を構築する：大ロット案件は自社で対応し、特急・小ロット案件はパートナーへ回すネットワークを作る方が自社購入より現実的です

・カラーマネジメントとプリフライト（解像度・裁ち落とし・フォントなど印前データの適合性をチェックする作業）のSOP（標準作業手順）を自社Webサイト等に明記する：発注者からの問合せに即座に提示できる体制を整えることが、そのまま受注の決定打となります

発注側も価格比較だけで判断せず、前述の5つの質問を投げかけてみてください。条件を明確な文字で回答できるパートナーを選ぶことが何より重要です

## まとめ

・高速インクジェットは商業印刷や小ロット包装の現場に浸透しており、年間千万枚を扱う大手だけの技術ではありません

・発注者が確認すべきは機械スペックではなく、納期・バリアブル対応・色彩管理・小ロット対応・データ適合性といった現場の運用能力です

・短納期・多品種小ロット・バリアブル印刷の3つの要件こそ、高速インクジェットが最も強みを発揮する領域です

・中小印刷会社が直ちに実機を購入する必要はありませんが、設備が持つ対応力を理解しておくことが顧客提案の鍵となります

・印刷会社の選定基準は「とりあえず印刷できるか」ではなく「安定して出力できるか」です

## 業界への影響と視点

この動きが印刷業界にもたらす本当の意義は、「小ロット」の経済構造が再定義される点にあります。かつて小ロットといえば単価が高く割に合わないものでしたが、今後は単価が過度に跳ね上がらない標準サービスへと変化していきます。大ロット一筋のオフセット専業会社にはプレッシャーとなりますが、外部リソースを活用して特急案件を柔軟に回せる中小印刷会社には大きな機会となります

デザイナー側にとっては、30パターンのセグメント別デザインが高コストな試みではなくなり、提案の幅が広がります。発注側にとっては、KPI（主要業績評価指標）を「最安値」から「納期と品質の安定性」へと移行できます。またSaaSや印刷自動化分野では、カラーマネジメント・プリフライト・クラウド見積もりといったツールが、標準的な必須機能へと変化します

次のステップとして、発注担当者はここ1〜2週間のうちに既存取引先3社へ前述の5つの質問を投げかけてみてください。最も明確な回答を返してきた会社が、今後の特急案件における頼れるパートナーとなります

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・[Komoriと1VisionがJ-throne 29インクジェット印刷機のベータテストを完了](https://www.piworld.com/article/komori-and-1vision-complete-beta-testing-of-j-throne-29-inkjet-press/)

## FAQ / よくある質問

### 高速インクジェットと通常のデジタル印刷の違いは何ですか？

高速インクジェットはピエゾ方式ヘッドで用紙にインキを直接吐出し、枚葉給紙とLED-UVで瞬時乾燥させるため、毎時数千枚の生産性を実現します。一方、通常のデジタル印刷（トナー方式）はスピードが遅く、特殊紙への対応力も限られるため、生産量と用紙適応性の面で高速インクジェットが優れています

### 高速インクジェット印刷機の価格はどのくらいですか？

本体価格は数千万円から数億円規模に達するため、多くの中小印刷会社は外注加工や同業間での相互協力で対応しています。無理に自社購入する必要はありません

### 小ロット案件は高速インクジェット対応の会社に頼む方が本当にお得ですか？

印刷部数によります。多品種小ロット・バリアブル印字・厚紙や特殊紙を使用する案件では、高速インクジェットの方がオフセット印刷よりコスト面で有利であり、通常のデジタル印刷より高速です。ただし数千枚を超える大ロットでは、依然としてオフセット印刷に単価上の優位性があります

### データがまだ用意できていなくても、先に印刷会社へ相談してもいいですか？

問題ありません。むしろ事前相談をお勧めします。前述の5つの質問を投げかけ、データの準備方法をどう案内してくれるかを確認することで、単なる価格比較以上に特急案件へ柔軟に対応できる会社を見極めることができます


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